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令和7年4月27日 日曜日~振り替える「氷河期世代のリアル」(1)


【本日休所】4/26土~5/6火 ゴールデンウィークのため休所とさせて頂きます。電話受付もお休みです。

 

おはようございます!

GWの前半、本欄では「氷河期世代」の問題について少し書きたいと思います。なぜなら私は、まさに氷河期世代、ど真ん中を生きてきたからです。



▼失われた時代を生きてきて……


GWが始まりましたが、新生活が始まった方々も少しずつ落ち着いてきたころでしょうか。新たなに社会人としてスタートされた方は、学生時代とは違う空気に、少しは慣れてきたころですかね。今は、行政書士という仕事を行っている私ですが、そんな私も新社会人だった時代があるわけでして。ただ、その社会人としてスタートした時期は、決して良い時期ではありませんでした。


4月25日、政府は現在40~50代の”就職氷河期世代”をサポートするための、関係閣僚会議の初会合を首相官邸で開きました。石破首相は、(1)就労・処遇の改善支援、(2)社会参加に向けた段階的支援、(3)高齢期を見据えた支援、以上の3本柱を掲げ、6月までに具体策を取りまとめるよう支持しました。立憲民主党も政策提言を行い、国民民主党もYoutubeに「国民民主党就職氷河期チャンネル」を4月18日に立ち上げました。

参議院選挙を見据えてでしょうが、今、政治が相次いで「氷河期世代」の救済・支援を打ち出し始めました。


私はまさに、「就職氷河期」の当事者です。


こんな言い方をするとアレですが……「遅すぎます」。しかし今が、本当に対応できる最後の時期なのかもしれません。就職氷河期とは何だったのか、どんな問題を抱えていたのか、そして今後を見据えどうしたら良いのか……当事者の視点から綴ってみたいと思います。


―就職氷河期とは?

「就職氷河期」とは、1990年代半ばから2000年代初めにかけて、バブル経済崩壊後の景気低迷によって新卒採用が極端に絞られ、多くの若者が希望する進路に進めなかった時代を指します。

特に、1993年〜2005年頃に高校・大学を卒業した世代が直撃しました。企業は採用数を減らし、「新卒一括採用」が極端に狭き門となり、既卒者や就職浪人はますます不利な扱いを受けました。


「どこを受けても落ちる」「正社員の内定が一つももらえない」、そんな現実は、今思い返しても本当に苦しいものでした。


まさに私は、2001年、法政大学を卒業しているので、この世代のど真ん中にいたこととなります。一つ、強く印象に残っている出来事があります。

まず大学1年の時のことです。大手証券会社の内定をもらっていた先輩がいたのですが、ある日突然、内定をもらっていた会社が経営破綻をしてしまいました。そう、その証券会社は山一證券です。当時山一は、四大証券会社の一つ。そんな会社が経営破綻を迎えるとは、誰も思っていませんでした。「悪いのは社員ではありません」と号泣していた社長の会見が、とても心に響きました。大学を入って最初の年にそのような出来事に出くわしてので、その後、「何がおきてもおかしくはない」と、どこか心に刻むことができました。


もう一つ印象的なことは、就職情報へのアクセスが大きく転換したのも、この就職氷河期真っただ中の時代でした。私が就職活動を行った2000年は、大学のガイダンスで、分厚い就職ガイドブックをもらい、ハガキで資料請求、エントリーを行うという企業が半分ぐらいありました。一方、インターネットでの就職情報サイトもスタートしていて、インターネット経由でのエントリーも半分ぐらいありました。「メールにファイルを貼付する」という行為をはじ目て行ったのが、某テレビ局に履歴書を送る際、「メール添付で送ってください」と言われ、四苦八苦しながら行ったのが最初でした。

今でこそ「デジタルデバイド」(IT技術を使いこなせる人とそうでない人の格差)と言う言葉があります。当時はそんな言葉は無かった時代ですが、就職活動において、間違いなくあの時代は「デジタルデバイド」があり、ITへのリテラシーが無かった人は、それだけで、就職活動への制限があったことも事実でした。


―「自己責任論」という冷たい空気

この就職氷河期と言われた時代に、世の中に浮かび上がってきた言葉の一つが「自己責任」という言葉です。

この言葉が世の中で使われるようになってきた一つの原因が、山一の破綻を初めとする、金融業界の動きでした。


バブル経済の崩壊後、山一のように破綻を迎えた企業もあれば、合併で危機を乗り切った金融機関もありました。日本は長らく「護送船団方式」という、金融機関の保護政策を行い、経済の安定を図ってきましたが、経済の低迷は護送船団方式を打ち砕く現実を次々見せつけました。1995年、大阪の木津信用組合の洋さんからはじまり、97年の北海道拓殖銀行、山一證券、三洋証券……護送船団方式は終焉を迎え、「金融ビッグバン」がおき、「金融自由化」が進むようになっていったのです。様々な金融商品の販売は、当然、元本割れを起こすものもでてきます。金融側は購買時に、しっかりと説明責任を果たしさえすれば、あとは元本割れは、顧客側の「自己責任」と……そんな感じで、自己責任と言う言葉が広がっていったと思います。

もう一つ、「自己責任」という言葉が「流行語」となったきっかけが、2004年にイラクでおこった、日本人人質事件です。ボランティア活動家・高遠菜穂子氏ら3名が、イラク戦争後のイラクに入国し活動中、武装勢力に拘束された事件です。

この事件で捕まった3人に対し、「勝手にイラクに行ったのだから」として、捕まったのは「自己責任」だという声が、世間に広まったのでした。


こうした「自己責任」の空気は、確実に、就職活動に苦しむ学生にも向けられました。「就職できないのは本人の努力不足だ」という、冷たい風潮です。

この空気により、長らく、メディアも、政府も、学校も、なかなか氷河期世代に手を差し伸べることはありませんでした。

「すぐに内定が出ないのは、あなたが悪い」「もっと資格を取れ」「もっと必死になれ」

そんな言葉が、あちらこちらで飛び交っていたと思います。当時は完全に「個人の努力」の問題と片付けられていたのです。


―ようやく「社会構造の問題」と、世の中が認めはじめた

私自身もこの「自己責任論」に「毒されていた」と、思います。つまり、なかなか就職が決まらないのは、「自分の能力のせいだ」と思っていた時期がありました。

幸い結果としては、いくつか内定をもらいました。しかし内定をもらった会社を卒業直前に蹴って、と、ある雑誌の編集部にもぐりこみました。まあ、2~3年好きなことをやっても、困らないと思ったのです。

しかしそこからのリカバリーはなかなか難しく……幸か不幸か、今、行政書士と言う仕事に流れつきました。まあ、充実して仕事させてもらってます。結果、よかったのでしょう。

でもそれは本当に偶然の積み重ねだったと思います。


回りの友人たちをみていると、エントリーシートをいくら送っても返信すら来ない。

やっと面接にたどり着いても、「うちは今、即戦力しか採らないから」と門前払い。

結果として、アルバイトや派遣、契約社員など、不安定な働き方を続けざるを得ない若者が大量に生まれました。

いわゆる「非正規雇用の拡大」のスタート地点が、この氷河期世代だったのです。


今、ようやく、「氷河期世代」を社会が何とかしようと動き始めました。振り返ってあらためて検証してみれば、この現象は、決して個々人の努力不足ではなかった、ということです。

景気後退による企業の採用抑制、雇用の流動化を推し進める政策、若年層支援策の欠如……


「リカバリーはなかなか難しく」と書きましたが、リカバリーをしようとした時代には、小泉改革による中小企業の減少、そしてリーマンショックなどの出来事があったわけです。氷河期世代は、こうした様々な問題がが複合的に絡み合って生まれた「社会構造上の問題」だったわけです。にもかかわらず、その被害を若者一人ひとりに押し付けたことが、氷河期世代の「生きづらさ」を今なお深く根付かせていると思います。


本稿続きます。明日はそんな氷河期世代がどのうような問題に直面しているのか……そんな現状について考えてみたいと思います。


(photo/AC)


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